膝が痛いときに行く病院や治療方法について

検査で見つかるロコモ

膝に異常や痛みを感じたときに、
「どのタイミングで病院に行くべきなのか」
「何科の診察を受けるべきなのか」
「病院でどんな治療をおされるのか?」など
不安なこともあるかと思います。

この記事では、膝が痛むとき行く病院や治療方法などについてまとめたいと思います。

膝が痛むときは、整形外科へ

「膝が痛むときに病院の何科を受診すれば良いのかわからない」という方もよくいますね。

基本的に、膝の痛みの治療や診察は整形外科で行われます。
症状によっては他の科の受診を勧められることもあります。

大きな総合病院の場合は、まず総合診療科で診てもらうこともできます。

しかし、膝が痛いという明確な症状であれば、整形外科に行っておけばまず間違いはありません。

総合病院など大きな病院には窓口のような総合診療科がある事が多いので、まずそこで相談してみてください。

響きが似ている「形成外科」は、痛みの有無に関係なく、先天的・後天的に生じた外見上の形を治すための病院です。

整形外科・接骨院・整骨院・整体院・カイロプラクティック・鍼灸院の違い

膝などの関節や筋肉・骨といった運動器官に異常を感じたとき、行くべき病院は「整形外科」です。

しかし、膝などの関節の痛みなら整形外科じゃなくても良いのでは?と思う人もいるかもしれません。
たしかに、病院である整形外科以外にも、施術を受けられるところはたくさんあります。

場所によってメリットやデメリットがありますので、医師の指示や症状・事情に合わせてどこで診てもらうか考えた方が良いですね。

いわゆる病院である整形外科とその他の施設(接骨院・整骨院・整体院・カイロプラクティック・鍼灸院など)の違いを簡単にまとめます。

急性のケガ治療に向いている接骨院・整骨院

接骨院、整骨院では、国家資格を持つ柔道整復師が施術をしてくれます。
両者の違いはほとんどありません。
必要に応じて健康保険の適用も可能です。

接骨院・整骨院での治療対象は、比較的急性の力によって発生した怪我への対処に向いています。
足首の捻挫や骨折・肩や肘の脱臼のようなケガであったり、ぎっくり腰や寝違えなど、首や腰に痛みに関する治療に長けていると言えます。

整体院とカイロプラクティックは慢性的な痛みに効くが保険適用はなし

カイロプラクティックは、主に脊椎に関する指圧療法のことで、日本では上記の整体の一種とされています。
つまり、整体院とカイロプラクティックはほとんど同じです。

ただ、この二つの施術は民間療法の一種であるため、施術者に国家資格などはありません。
そのため、健康保険の適用も出来ないのです。

また、施術者の中には、素人に近い人がいて、かえって症状が悪化したなどといったケースも見受けられます。
しかし、整体やカイロプラクティックで症状が改善することもあるので、一概に悪いとは言えません。

施術の対象は比較的広く、緩やかな症状の改善に向いています。
肩こりや腰痛、坐骨神経痛や手足のしびれの改善などの目的で治療が行わることが多いです。

慢性の痛みに効き保険適用も可能な鍼灸院

鍼灸院の施術者は、はり師・きゅう師の2つの国家資格を持っています。
そのため、医師に同意書を書いてもらい、それを鍼灸院に提出すると保険適用ができます。
しかし、医師の合意がない場合には、基本的に保険が適用されません。

鍼は、とても細いステンレス製のハリを経穴(ツボ)に刺して治療する方法です。
また、灸は艾(もぐさ)を用いて経穴に熱を与えて治療をします。

スポーツによる膝痛や変形性膝関節症の治療に訪れる人が多いです。
急性の症状というよりは、慢性の症状の改善・治療に向いているようです。

整形外科は治療可能な範囲が広い

整形外科とは、医師が医療として、人の背骨・手足などの骨、関節、筋肉、脊髄、神経などの病気、外傷などを治療する医院です。
もちろん健康保険を用いることができ、治療できる範囲も非常に広いです。

また、レントゲン検査、手術、投薬も可能です。
これらは医師にしか認められていません。

整形外科での治療は即時施術に向いています。
ぎっくり腰や椎間板ヘルニアになってしまって、動くことすら困難になってしまっているときや、レントゲン検査を受けたい場合、さらに骨折の可能性のあるケガをした場合など、即時の処置やレントゲン・手術などの治療行為が必要な場合に向いています。

症状に注意して診察のタイミングを決める

痛みの原因が明確なときや症状が軽い場合には様子を見る

スポーツや登山、重労働で膝を酷使したなど、痛みの原因がわかっている場合や、痛みの程度が軽い場合は、数日は様子を見ても大丈夫です。
このようなときにおこる膝の痛みは、膝の使いすぎが原因で、関節まわりの筋肉や腱が傷んだために起こった一時的な痛みであることが多いです。

膝の動かし始めに痛みが見られますが、しばらく休むと治まります。
ただ、軽い痛みでもあまりに長期間続くようであれば診察を受けてみてください。

原因不明の痛みが続くときや激しい痛みがある時は早期の受診を

原因が思い当たらないのに膝が痛むときには、何かの病気である可能性があります。
膝の変形や病気は、最初は膝の痛みやこわばりがあっても自然に治まったり、市販薬で症状が楽になるので、放置してしまう人が多いです。

しかし、症状が進行してしまうと、治療が困難になる恐れがあるのです。
そうなる前に医師の診察を受けることが望ましいです。

病院に行くタイミングとしては、痛みや違和感、動かしづらさや、それによって動くのが億劫に感じたり、気分がすぐれないなど精神的な変化が出始めたときが良いと思います。
早めに医師の診察を受け、適切な治療とアドバイスをしてもらうことで、その後の症状に大きな違いが出ます。

また、明らかに患部が赤く腫れていたり、安静にしていても痛みを感じる場合、さらに一度治ったはずの痛みがぶり返してきた場合などは早急に受診するようにしましょう。

体重をかけなくても横になっていても膝が痛んだり、曲げ伸ばしする時に音がしたり、膝がひっかかる感じがする、力が入らなくなるなどの症状が出た場合も自己判断せずに診察を受けることをお勧めします。

膝痛の症状によって治療方法は大きく変わる

整形外科を受診すると、まず診察・問診、レントゲンやMRIなどの検査が行われます。
これらの検査によって膝の痛みの原因をつきとめて、治療方針を決定します。

症状が軽かったり、損傷が軽傷の場合には、保存的治療を勧められることでしょう。
このようなときは1度の診察治療で良くなる場合もありますが、通常は、数週間から数か月にわたる通院治療となります。

薬物療法で体の内側から痛みを取る

痛みをコントロールするために薬物を服用する治療法です。
炎症を鎮め、痛みを和らげる効果のある消炎鎮痛剤が良く使われます。

安静にしていても痛みがとれない場合や、激しい炎症が起きている時などに、それを鎮める目的で行われることが多いです。

副作用の少ない非ステロイド性抗炎症薬が使われることが多いですが、症状の重いときには、鎮痛効果は高いけれど副作用の大きいステロイド薬が使われます。
薬には、患部に直接貼るまたは塗る「外用薬」や口や肛門から服用する「内用薬・座薬」、患部に直接注入する「薬物注射」があります。

動作が楽になる装具療法

膝関節の保護、固定、動きの安定を目的とした器具を膝に取り付け、負担や痛みを軽減する治療法。
その装具には、サポーターやコルセットのほかに、杖などもあります。
この方法では関節の変形自体は治りませんが、膝にかかる負担を減らして痛みを和らげ、動作を楽にすることができます。

痛みを和らげる温熱療法

患部を温めて血行を促進し、痛みを和らげる治療法です。
血行が良くなると、炎症・痛みの原因である化学物質が流れ出ていきやすくなるほか、筋肉や関節の緊張をほぐして骨や軟骨への負担を減らすことができます。

医療機関ではホットパックや電気・超音波を使った専用機器を使用します。
家庭でもお風呂に浸かったり、カイロやレッグウォーマー・サポーターを使用したりして手軽にできる療法ですね。

急なケガによる痛みなら冷やす

温熱療法とは逆に膝を冷やすことで痛みを抑える治療もあります。

急性の強い痛みがあったり、膝が腫れて熱をもっている場合は冷やした方が良いです。
これは炎症が急激に広がっている状態で、捻挫・打撲・骨折などの突発的なケガによく見られます。

熱をもっている患部やその周辺を冷やすことで、炎症の広がりや内出血を抑え、痛みを軽減してくれます。
こういう場合には、できる限り早く冷やすことが重要です。

膝の強化につながる運動療法

膝を動かす運動や、ウォーキングなどの全身運動を行い、膝周りの筋肉・靭帯・骨・軟骨といった組織を強化したり、心肺機能を高めたりする治療法です。

膝に激しい痛みがあるなら安静にして治療を行うべきですが、痛みが落ち着いて膝が動かせるようになったら、無理のない範囲で膝周りの運動を行なうのが効果的です。

太ももの筋力アップは膝の負担を減らしてくれ、ストレッチによって柔軟性を向上することで膝の動きをスムーズにします。
また、全身運動は膝に大きな負荷をかける肥満の解消や、全身の組織の強化、老化防止などにも役立ちます。

膝に溜まった水は注射で抜く

よく耳にする「膝に水がたまっている」という症状は、「関節水腫」という病気です。
これは、関節内の軟骨のカスが周囲の組織を刺激して炎症を引き起こし、関節液が異常分泌されることで起こります。

水がたまると関節の状態が不安定になり、炎症や痛みが悪化します。
そのため注射器で関節内から水を抜いて痛みを取り除きます。
関節の炎症を抑えるため、水を抜くのと同時に、炎症の原因である軟骨のカスを取り除いたり、ヒアルロン酸やステロイド剤を注入することが多いです。

他の治療法では治らない重症には手術を

通院治療を受けても症状が軽くならない場合には、外科的治療を行います。
外科的治療とは手術のことです。
通院治療を受ける前でも、痛みがとても強い場合には手術を行う必要があります。

手術といっても、昔のように患部を大きく切開することはあまりありません。
関節を切り開くことなく治療できる方法もあります。
また、膝を切開する手術でも、患者の身体的負担や、術後の痛みのことを考えた治療が多く、リハビリもスムーズに行うことができます。

ただ、患者の条件、症状によって手術治療の内容も変わります。
医師と十分に話し合ったうえで治療方針を決定するようにしましょう。

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