ロコモの原因にもなる!筋肉量低下が招くサルコペニアとは
「サルコペニア」という言葉を聞いたことがありませんか?
サルコペニアとは骨格筋の減少を意味する造語で、ギリシア語の「サルコ(筋肉)」と「ペニア(減少)」を組み合わせた言葉です。
最近、様々な媒体で見かける機会が増えてきました。
サルコペニアは主に加齢による筋肉量の減少を指していますが、高齢になってから筋肉をつけるのは難しいので、早い時期からもケアしておきたいですね。
目次
サルコペニアの症状
サルコペニアとは筋肉量の低下
サルコペニアとは筋肉量の減少、および、筋肉量減少による身体機能低下のことです。
普段、運動量の少ない人の筋肉量は、加齢とともに減少していきます。
個人差はありますが、40歳前後から筋肉量の減少傾向が見られ、高齢になると、1年で5%以上の減少率となることも。
サルコペニアは65歳以上の高齢者に多く、75歳以上になるとさらに増加します。
筋肉量は減りすぎると、日常生活に支障をきたすほどになってしまうことがあります。
サルコペニアになると転倒・骨折のリスクが増える
「サルコペニア」の症状は、抗重力筋において多く見られます。
抗重力筋とは、広背筋・腹筋・膝伸筋群・臀筋群などの重力に対抗して立位姿勢を保つ働きをする筋肉のことです。
そのため、サルコペニアを発症すると、立ち上がりや歩行がしづらくなり、進行すると歩行困難にもつながることがあります。
転倒・骨折のリスクが増加したり、死亡率が上昇したり、さまざまな影響が出てきます。
サルコペニアはロコモティブシンドロームの原因にもなる
骨、関節、筋肉の部位になんらかの支障をきたして運動障害がひき起こされる状態を「ロコモティブシンドローム」と言い、最近テレビや雑誌などでも取り上げられています。
この「ロコモティブシンドローム」と「サルコペニア」はセットで話題に上がることが多いです。
2つの主な違いは「ロコモティブシンドローム」が運動器全般の症状を含むのに対し、「サルコペニア」はその運動器の中でも筋肉と筋力、歩行機能に特化した症状を指しているところです。
サルコペニアになると、転倒・骨折のリスクが増加したり、歩行時に膝の関節にも影響したりするので、ロコモティブシンドロームにつながる危険性がかなり高くなると言えます。
サルコペニアが肥満を招くこともある!
「サルコペニア」と「肥満」をあわせ持つと「サルコペニア肥満」になります。
これは、筋肉が減ると、使われずに余ったエネルギーが、脂肪に変化して体に溜まりやすくなるためです。
この症状は、通常の肥満よりも高血圧や低体力になるリスクが増えます。
メタボリックシンドロームよりも危険性の高い症状だとも言われてることも多いです。
外見からでは分かりづらいため、一見、細身な人でも気づかないうちに進行している可能性があるのです。
特に、女性の場合、もともと筋肉量が少ないので「サルコペニア肥満」になる可能性が高くなります。
また、身体の代謝を制御してくれる骨格筋がサルコペニアによって衰えると、感染症や癌にもつながることがあるのです。
サルコペニアの原因
加齢・老化による筋肉量の減少
一番の原因は、加齢・老化です。
筋肉を作るのに必要なタンパク質を合成する身体機能の能力は加齢によって低下していきます。
また、「成長ホルモン」など、筋肉の維持に必要なホルモンが加齢によって減少することでサルコペニアは引き起こされます。
運動量の不足やタンパク質の摂取量の低下
運動量が極端に少ないことも原因の一つになります。
筋肉は運動による刺激やタンパク質・アミノ酸の摂取によって維持、増加することが知られています。
人間は一日の間に筋肉の合成と分解を繰り返していますが、成長期においては十分な量のタンパク質の摂取により筋肉は増加していきます。
ところが、高齢になると、タンパク質やアミノ酸の摂取量や運動量の減少により、筋肉の合成量が低下し、筋肉が減少する傾向があります。
過度なダイエットによる栄養不足
また、過度のダイエットは筋肉量の減少につながります。
特に、食事制限式のダイエットは危険性が高いです。
それは、筋肉量を維持するためのカロリーや筋肉合成に必要なタンパク質の摂取不足につながるためです。
薬の副作用や持病の影響
上記の原因がサルコペニア発症の主な原因ですが、他にも以下のような原因があります。
服用している薬の影響であったり、病気で寝たきりの状態にある場合です。
また、臓器不全・糖尿病・副腎疲労などの病気を持っているとサルコペニアに陥りやすいともいわれています。
サルコペニアの予防方法
サルコペニアは、薬などを服用しなくても自力で改善、予防できる症状です。
効果的な予防法を紹介します。
筋肉を増やすための運動
まずは、筋肉量を増やすために運動は必須です。
有酸素運動や筋力トレーニングが特に効果的です。
筋肉量は極端に減ってしまってからは、運動によって改善することは難しくなってしまいます。
運動が不足しているなと思ったら、早めに対処するようにしましょう。
しかし、無理をして怪我をしてしまったら本末転倒です。
自身に合わせて無理のない範囲で運動をしましょう。
筋肉を作るための十分な栄養摂取
また、サルコペニアの予防にはバランスよく栄養を摂ることが必要不可欠です。
特に、筋肉を作る成分であるタンパク質の摂取量を意識的に増やすことが大切ですね。
肉・魚・大豆などタンパク質を含む食品を積極的に摂取し、ビタミン・ミネラルも積極的に食事に取り入れるようにしましょう。