人工関節置換術、良くなる確率は五分五分?
人生楽ありゃ苦もあるさ~♪
同じような意味の言葉は、格言でもよく耳にします。
そうやって昔の人は、今の苦しみからいつか抜ける時がくると、自分に言い聞かせていたのでしょう。
でも身体的な痛みの苦は、すぐにでも取りたい!
我慢しなくてもよい苦だと思います。
特に膝痛などは、放っておいて楽になることなんてありません。
よけいに酷くなるだけです。
最近こんなニュースを見ました。
治療費約200万円の人工関節置換術、機能回復確率は五分五分
現在の医療技術のことのようです。
人工関節置換術とは?
膝関節症になった場合
加齢による膝関節症の人は、国内に予備軍を含めて約3000人もいるようです。
スポーツをしている人や成長期の膝関節症者を入れたら、相当な人数になることでしょう。
初期の変形性膝関節症と診断された時は、湿布などの鎮痛薬や患部の関節内にヒアルロン酸注射、サポーターなどでの保護やリハビリトレーニング等で対処するのが一般的です。
いくら同じ対処法を続けても中々痛みがとれない場合は、手術を医師が勧めてきます。
中には関節の状態次第では、最初から手術を勧めてくる医師もいるでしょう。
痛みの箇所も、半月板損傷だったり軟骨の欠損だったりの場合は、内視鏡手術もあるようです。
内視鏡手術は従来の手術に比べ、極端に小さな傷で手術を行うので、炎症を起こしている半月板や滑膜を切除する場合も、患者に負担が軽くて済むとのこと。
そして、欠損した軟骨に他の軟骨を移植する手術もあるようです。
これらに比べて、膝の関節が変形するなどの重度な場合に行う手術が、人工関節置換術なんです。
人工関節置換術
人工関節置換術はその言葉通りに、人口の関節に変えて埋め込む手術です。
痛みの原因となるもの、それが膝関節だったらそのものを取り換えると言うことです。
手術後はリハビリを経て、歩けるようになるとのこと。
これで全てが解決!と思いたいところですが、人工関節は一生ものではないようです。
人工関節は使っているとすり減って摩耗していくようです。
その後は違和感や痛みを感じるだけではなく、人工関節は静脈血栓塞栓症になるリスクが高まることもあるとのこと。
抗血栓薬を飲み続ける場合もあるようです。
手術すれば痛みがとれる、の言葉だけに安易に踊らされてはいけないようです。
入院期間と治療費はどの位?
内視鏡手術や欠損した軟骨に他の軟骨を移植する手術の場合は、保険適用にもなるので8万~10万円程で済むのに比べ、人工関節置換術となると、自己負担額は50万~60万円程かかるとのこと。
これはあくまでも手術代ですので、リハビリや投薬代など、人工関節置換術は治療費の総額150万から200万円程かかるとまで言われているほどです。
高額療養費制度が適用できる人は戻ってくるとは思いますが、病院によって差があるようです。
また軟骨を移植の場合での入院期間は、日帰りの場合もあり長くても1週間位で済むとのこと。
手術後10日程度の休みは必要ですが、、。
しかし人工関節置換術になると、2週間~3週間程の入院は必要ですし、長くて復帰までに2ヶ月は見てほしいようです。
病院選び
病院選びが、その人のその後の人生を左右すると言っても大げさではないでしょう。
なのでどこの病院を選び、どんな医師と出会うかが大きな分かれ道のようです。
人工関節置換術をした場合、実績のない病院で行うと、一番怖いのが感染症です。
そして人工関節が適合しなかった場合は、頭痛、腰痛、金属アレルギーなども起こしてしまうとのこと。
もしその手術を行う場合は、実績のある病院を選ぶのは当然のこと。
最近では、専門病院もあるようです。
順天堂大学医学部の黒澤尚・特任教授は、膝痛には別の病気が潜んでいる可能性もあると仰っています。
また症状が似ていて、紛らわしい疾患もあるようです。
ちょっと費用はかかりますが、触診やレントゲン検査だけでなく、MRI検査で見落としそうな箇所もしっかりと診断してもらった方が良いでしょう。
手術するべきか否か?
病院によってはすぐ切りたがる医師もいるようです。
いつまでも投薬とリハビリだけで治療を続けているよりも、手術した方が正直病院経営は潤うらしい。
そんな計算抜きで手術を勧める医師も勿論いますが、「手術すべきかせぬべきか?」悩むところです。
まるで「生きるべきか死すべきか?」シェーイクスピアの戯曲のようです。
太古から、人はいつも選択と決断に迫られてきました。
痛みは取りたい、しかし手術以外の方法はないものか?
大切な決断であるならば、セカンドオピニオンを持ちながら私ならば最後迄あがくでしょう。
今は何とか歩けているのに手術して、人工関節が摩耗した場合、また時期がきたら再手術をしなければならない。
手術をする決断をする場合は、必ずしも成功だけを考えるのではなく、術後のライフスタイルも視野に入れることが大切なようです。
専門医も人工関節置換術の良くなる確率は、五分五分と言っているのが現時点での正直な実績のようです。