腰痛への対策でロコモ予防

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腰痛に悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
膝痛も腰痛も可能な限り予防や対策に努めることが大切です。
それが結果的にロコモティブシンドロームの予防に繋がります。

腰痛とロコモに関するニュースがありましたので、この記事ではそちらについてご紹介していきます。
元のニュースはリンク先を参照してください。

整形外科医の役割

10月8日の「骨と関節の日」を前に、日本整形外科学会は「ロコモティブシンドロームと運動器疼痛」の講演を開催したようです。

本来整形外科の領域は、関節や脊髄、骨粗鬆症に外傷など幅広く、運動器疾患全般が治療の対象になるようです。

運動器障害からロコモティブシンドロームになり、要介護に進んでいく道筋に警鐘を鳴らすためにも、ロコモの認知度を広めようと医学会でも国と協力し合って2022年までに80%までにしようとのこと。(2017年現在で認知度46.8%)

今回この講演で理事長の挨拶をした筑波大学医学医療系整形外科 山崎 正志教授は、国民の有訴率が男女ともに高い「腰痛」を取り上げたようです。

国民病の腰痛

札幌医科大学医学部整形外科学講座 山下 敏彦教授が、「国民病・腰痛」についての講演を引き続き行ったようです。

慢性痛について

ロコモの要因となる疾患では、変形性膝関節症が患者数2,530万人、腰部脊柱管狭窄症が同600万人、骨粗鬆症が同1,070万人などがあり、関節痛、下肢痛、腰背部痛などの痛みを引き起こすようです。

筋骨格系では、およそ1,500万人が慢性痛を訴えており、慢性痛有病率は15.4%とのこと。
痛みを感じるところは、腰、頸、肩の順に多いようです。

そして、慢性痛による運動困難は筋力低下をもたらします。
そうなると運動困難を引き起こし、脊椎・関節が変性してさらに痛むようになる。

それに続けて、痛みからうつ状態に陥る人もおり、引きこもりから脳内の鎮痛が低下し、悪循環になってしまうようです。

腰痛について

最近まで腰痛の原因は、85%までが不明とされていたようです。
しかし近年、78%の原因が特定できるようになったようです。

残りの22%は非特異的腰痛として、原因がよく分からないが、危険ではないものとして扱わているとのこと。

原因がわかる腰痛の、椎間関節性、筋・筋膜性、椎間板性は一般的なようですが、わずか0.3%は心因性の腰痛があるようです。

腰痛診断

腰痛診断ではトリアージと言って、重症度の選別や治療の優先度を決定することが大切とのこと。
特に危険な腰痛だと思う兆候に、「安静にしていても痛みを感じる」「体重の減少が著しい」「発熱がある」など。

腰痛にもがんや化膿性脊椎炎などの重篤な疾患による腰痛(危険な腰痛)、腰椎椎間板ヘルニアや椎体骨折などの神経症状を伴う腰痛(神経にさわる腰痛)、深刻な原因のない腰痛(非特異的腰痛も含む)などなど、、。

日常の生活で軽く考えている腰痛以外にも、深刻なものがいくつもあるとは知りませんでした。

足のしびれ・痛み、麻痺などの神経に症状が出るものならば、早急に医師の診断を受けた方が良いようです。

対処法

痛みの緩和とQOL・ADLの改善

運動器疾患の治療は、痛みを完全に取り除くことはまだ難しいようです。

痛みの緩和とQOL・ADLの改善をゴールにしているとのことですが、専門用語のQOLやADLって何なのか?調べてみました。

QOLは、元々はリハビリテーションの分野で使われてきたもののようです。
QOLとは、人間らしく満足した生活を送れているかを評価するもので、ADLが低くても社会参加や自己実現は可能だと主張出来るもののようです。

ADLは、健康な人であれば特に意識することなく行っている日常生活の動作のようです。
基本的な食事や排泄、移動や入浴や着替えなどのことのようです。

薬物療法

薬物療法は、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド、アセトアミノフェン、抗うつ薬などを使っているとのこと。

痛みにも性質があるみたいで、その性質に合わせて使い分けるようです。

理学療法

理学療法とは、ストレッチや筋力増強訓練などの運動療法だけだと思っていました。
しかし温熱療法、電気療法は理学療法もあるとのこと。

運動をしないと、廃用性障害による身体機能不全にも陥ることも、、。
運動すると身体機能不全が改善されるだけでなく、脳内の鎮痛が働き、痛みの緩和に繋がっているようです。

手術療法

変形性膝関節症の場合、人工関節置換術などの手術が行われていますが、最近では、術後の痛みも少ないらしく、退院の時期も以前より早くなってきているようです。

また職場復帰が早い、最小侵襲手術(MIS)などもあり、傷口も小さくて済むようです。

心理療法(認知行動療法)

腰痛のために出来なくなっていることもありますが、出来ることを探すことを心がけることで、痛みを緩和させる治療法とのこと。

心理療法では、運動や作業、そして日記療法などが行われて、患者が願う生活を過ごせるようにしていくもののようです。

生活指導

正座や中腰を避けるなどの生活様式は注意しなければならないようですが、バランスの良い食事や水泳や体操、そして散歩などの軽い運動も生活習慣に取り入れることがオススメのようです。

山下教授曰く「慢性痛は民間療法で済ませている人が多い」と、、。

それについて否定はしていませんが、危険な兆候がある場合は、専門医で早めに治療をすることをオススメしているようです。

また、仕事や家事その他、日常の生活にも支障を感じ憂鬱な場合には、自己判断せずに整形外科医を尋ねて欲しいとのことです。

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