膝が痛いときの注射はヒアルロン酸とステロイド
年を重ねるにつれて悩まされることの多い膝や関節の痛み。
このような症状に対する治療法や改善法は薬や手術など様々なものがあります。
今回、手術よりはお手軽で薬よりも効果があると言われている「注射」治療について紹介したいと思います。
関節や膝の痛みを改善するために注射される物質としては「ヒアルロン酸」と「ステロイド」が代表的です。
この二つの効果やメリット・デメリットについて書いていきます。
目次
ヒアルロン酸は経口摂取より注射のほうが効果が高い
正常な膝関節は、骨と骨の間が関節液で満たされています。
関節液は骨を守る軟骨を形成する役割と軟骨をスムーズに動かす潤滑油の役割を果たし、その主成分はヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸は特に40歳を過ぎたことから、急激に減少し始めます。
60代になるころには、もともと持っていたヒアルロン酸の約1/4しか残っていないとも言われています。
サプリメントなどにヒアルロン酸が含まれているものがあります。
しかし、ヒアルロン酸は経口摂取しても、関節痛を改善する効果はないと研究でもわかっています。
ヒアルロン酸注射をすると関節の動きがなめらかに
ヒアルロン酸注射は手術などの外的ダメージがなく、短時間で手軽にできることが大きなメリットです。
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する物質なので、比較的アレルギー症状が起こりにくいところも安心ですね。
効果としては、関節の動きをよくしてくれたり、炎症を抑えたり、軟骨の摩耗も抑えてくれます。
ただ、痛み止めではないので、定期的に継続して注射する必要があります。
徐々に関節が動きやすくなって、痛みも和らぎ、生活の質を上げることができます。
ヒアルロン酸注射には軟骨再生の効果はない
ヒアルロン酸は体内にもともとある物質ではありますが、アレルギー症状がゼロというわけではありません。
実際にアレルギー反応が起きた事例はあります。
他にも、注射する患部の状態により、細菌感染し、腫れや痛みといった症状を引き起こすことがあります。
また、ヒアルロン酸には、軟骨の再生や、増量に対しての効果はありません。
ヒアルロン酸はあくまでも、関節の動きを滑らかにしてくれるものです。
さらに、ヒアルロン酸は時間の経過とともに、体内に吸収される性質があるので、効果が長続きしません。
そのため、軟骨がほとんど無くなってしまった末期症状の場合や、痛みが強く日常生活に支障が出ている場合には、手術を勧めるお医者さんが多いです。
膝のうずくような痛みや炎症にはステロイド注射を
うずくような痛みがある場合や、関節に水がたまっている状態のときに炎症を抑える目的で使用されるのがステロイド注射です。
このような状態のとき、ヒアルロン酸注射ではあまり効果が期待できません。
また、内服薬で改善しない関節炎に対しても使用されます。
強い効果があるぶん、頻繁には注射してもらえません。
副作用も強いため、医師に勧められることも少ないでしょう。
ステロイド注射は炎症を抑える効果が高い
ヒアルロン酸注射に比べ、ステロイドを注入した場合には炎症を抑え痛みを取り除く強い効果が現れます。
また、即効性が高いです。
手術よりも手軽なところが良いですね。
ステロイド注射の長期継続は副作用をもたらす
ステロイド注射は効果が高い分、副作用をもたらす危険性が高いです。
特に長期使用した場合に、起こり得る副作用はかなりのものです。
免疫力が落ち、病気に感染しやすくなったり、肌がボロボロになったりすることもあります。
また、関節内部が変形し、軟骨や骨がもろくなってしまうことも。
ただ、これはあくまで長期間のステロイド注射による副作用なので、医師の指示に従って治療するようにしましょう。
感染症の危険性も多いわけではありませんが、ゼロとは言い切れません。
感染の危険をできるだけ減らすために患部は清潔を保っておきましょう。
注射後に何か異変を感じたら、きちんと診察を受けて下さい。
膝への注射って痛い?
膝への注射ってどれくらい痛いのか、心配な人も多いのではないでしょうか?
特に、注射が苦手な人にとっては重要な問題ですよね。
ただ、膝への注射の痛みの感じ方は、人それぞれです。
痛いと言う人もいれば、そうでもないと言う人もいますね。
でも、毎日繰り返す膝の痛みを我慢するよりは、たとえ痛いとしても一瞬で終わる注射で治療したほうが楽かもしれません。