膝が痛いときの対処方法と痛くなる前の予防方法
「膝が痛い!」
というのは、大きく分けると2種類あります。
1つは怪我や一時的な酷使などによる急性的な痛み、そしてもう1つは加齢などによる慢性的な痛みです。
急性的な膝の痛みは、ただちに病院に行って医師に診てもらうしかありません。
慢性的な膝の痛みは、軟骨がすり減ることによって生じていて、変形性膝関節症である可能性が高いです。
原因としては、加齢や肥満・筋力不足による関節への過負荷などが考えられます。
「加齢による膝の痛みはしかたない…」と思って諦めてはいけません。
この変形性膝関節症による膝の痛みに対して、段階別にどのように対処したら良いかをまとめますので、少しでも参考になればと思います。
この記事の目次
目次
膝痛の段階に応じた対処方法を
変形性膝関節症など加齢によって起こる膝痛は、急に膝が痛くなるわけではありません。
30代・40代のころから少しずつ進行しています。
もちろん個人差もありますが、よっぽど膝を鍛えていない限り、誰しもなんらかの膝痛を感じるのではないでしょうか。
将来のことを考えて、なるべく早い段階で少しでも予防に努めておくのが良いですね。
痛みの段階別に対処方法をまとめました。
膝の痛みはないけど将来のために予防したい!という段階
「今は膝の痛みがないから大丈夫」
「痛くなってから何かすればいいかな…」
というわけではありません。
膝の痛みを感じるようになると、少し動くのも辛くなってきます。
そうするとどんどん運動器官が衰えていってしまいます。
運動器官が衰えたらまた動くの辛くなり…という悪循環が一番怖いのです。
ですから、膝の痛みがないうちに予防に努めることが実は大切なのです。
軟骨の磨り減りを抑えるためにグルコサミンを摂る
関節の軟骨を作っている成分がグルコサミンです。
しかし、一般的に40歳を過ぎる頃から、グルコサミンを体内で生成する力が衰えていきます。
その結果、軟骨の磨り減りが進み、膝の痛みにつながってしまうのです。
ですから、グルコサミンを摂取すれば膝痛の予防になるといわれています。
しかし、まだ日本ではその効果が認められていないので、グルコサミンは医薬品ではありません。
痛くなってからグルコミサンを摂るのではなく、痛くなる前からグルコサミンを摂るのが良いかと思います。
グルコサミン以外の膝のための成分としては、コンドロイチンやMSMなどもあります。
これらはどちらかというと痛みが出てから摂る方が多いようです。
グルコサミンを食べ物で摂る
グルコサミンを多く含んでいる食品をまとめましたので、そちらも参考にしてください。
痛みのない段階であれば、これらの食品を意識して摂り続けるだけでも違うかもしれません。
グルコサミンをサプリメントで摂る
ところが、食品に含まれているグルコサミンは極めて少ないです。
グルコサミンは摂取しても全てが膝関節の軟骨に有効的に使われるわけではありません。
膝関節の軟骨のためにグルコサミンを摂取するならば、1日あたりの目安として1,500mgは摂る必要があるとされています。
この量を食品だけで摂るのは極めて難しいのです。
そこで、グルコサミンのサプリメントがあるわけですね。
グルコサミンや他の膝に良いとされる成分を摂るなら、食べ物よりもサプリの方がおすすめです。
そして食品にしてもサプリにしても続けていくことが大切ですね。
より軟骨成分に近いプロテオグリカンやⅡ型コラーゲンを摂る
膝のためのサプリメントで最近よく見かけるようになったのが、プロテオグリカンとⅡ型コラーゲンを含むものです。
特に「非変性」などと明言しているものは、体内の軟骨成分に近い状態のものとされています。
なぜ、プロテオグリカンやⅡ型コラーゲンが良いのか、プロテオグリカンのサプリを販売しているウェルヴィーナスさんにインタビューで伺ってきました。
それは別の記事にまとめていますので、ぜひそちらも参考になればと思います。
アンチエイジングのためにビタミンCを摂る
また、ビタミンCを摂るのもおすすめです。
膝にビタミンC、というと少し意外に思うかもしれません。
実は、ビタミンCはアンチエイジングの切り札なのです。
関節の軟骨が磨り減るというのは、加齢による酷使だけが理由ではありません。
加齢によって体内で軟骨を生成する力が衰えることが原因でもあるのです。
ビタミンCを摂るということは、その加齢による体の衰えをアンチエイジングでできるだけ予防するということですね。
私は、いろいろなサプリの本を読みました。
そのほぼ全ての本でビタミンCの効果が書かれていて、ビタミンCを摂ることを勧めています。
当サイトでは、ビタミンCサプリのレビューはしていませんが、グルコサミンなどと併せてビタミンCを摂るのもいいかもしれません。
痛みがないうちにできるだけ運動を
必要な成分をサプリで摂るのもいいですが、関節などの運動器官の衰えを予防するのであれば、やはり運動をした方がいいですね。
膝の痛みを感じるようになると、少し歩くのも億劫になってきます。
痛みがないうちにできるだけ運動をするように心がけることが、将来の健康的な生活に繋がるわけです。
結局、関節も筋肉も骨も適度に使わないと衰えます。
無理してハードな運動をする必要はないですが、日常生活の中で少し意識してみてはいかがでしょうか。
痛いから運動しない→運動しないから衰える→衰えたら運動しない→…
この「痛いから運動しない」から悪循環が実は一番怖くて、結果的にはそれがロコモティブシンドロームにも繋がってしまいます。
ロコモティブシンドロームについては、別の記事に詳しくまとめていますので、そちらも参照してみてください。
膝に痛みや違和感があって少しでも和らげたい!という段階
膝の痛みを感じる前にできる限り予防しておくことが大切です。
しかし実際は、膝に痛みや違和感が出てきてから対策を考える方も多いのではないでしょうか。
日常生活の中で膝の痛みを感じることも多い
転倒や激しい運動などの何か大きなきっかけがなくても、日常生活の中で膝の違和感や痛みを感じ始めることも多いですよね。
痛みを感じているときは、病院に行ったりや薬(サプリではなく医薬品)を飲んだりした方が良いでしょう。
また、日常生活の中で感じる膝痛への対策を簡単にまとめました。
そちらも参考にしてください。
しかし、膝に痛みがある状態で、すべき対策を自分だけで判断するのは難しいです。
必ず専門医に相談の上で、対策をとるようにしましょう。
膝が痛いときは、まず病院で診てもらう
膝に痛みや違和感が出てきたら、まずは病院で診てもらってください。
病院であれば整形外科になりますが、病院でないもの(施術所)として、接骨院や整骨院で診てもらうこともできます。
膝が痛いときに診てもらえる病院・施術所については別記事にまとめています。
「加齢による膝の痛みだから仕方ないかな…」と思って甘くみてはいけません。
一言で「膝が痛い」と言っても、様々な種類の膝の疾患があります。
そこで、膝が痛いときに考えられる疾患を簡単にまとめてみました。
あくまでも参考程度なので、必ず医師に診断をしてもらってください。
湿布・塗り薬・サポーターで一時的に痛みを和らげる
膝に痛みを感じるときは痛み止め・炎症止めなどの内服薬だけでなく、外用薬で痛みを和らげることもできます。
膝痛の場合は、たとえば湿布・塗り薬・サポーターなどですね。
しかし、軟骨がすり減って痛い場合は、これらによって軟骨が再生するわけではありません。
それでも、サポーターは膝への負担を軽くするので、結果的に軟骨のすり減りを遅らせる可能性はあります。
これらはあくまでもそのときに痛みを軽減するものですね。
私が知っている限りだと、違和感を軽減するのには効果があります。
その結果、痛みが和らぐのを感じることもできます。
サポーターは、良いものであれば装着するだけで簡単に効果が得られます。
湿布や塗り薬は種類による使い分けも必要なので、簡単に別記事にまとめました。
膝への負担を軽減するためにストレッチをする
膝が痛いというのは関節だけの問題ではありません。
脚の筋肉が緊張していて機能が低下すると、膝への負担が大きくなります。
運動の前後にストレッチをして筋肉をほぐすだけでも、膝への負担が軽減されることがあります。
膝が痛いときにも行える簡単なストレッチを紹介していますので、そちらも参照してください。
若い方の激しいスポーツの前後というよりは、どちらかというと中高年の方が家事や歩行の前後に行うためのものです。
膝の痛みに効果があるとされるコンドロイチンを摂る
膝関節などの痛みに効果があると認めらている成分としては、コンドロイチンが代表的です。
一部のコンドロイチンは医薬品としても認められています。
変形性膝関節症の場合、軟骨がすり減ることで痛みを感じています。
痛みを和らげる成分だけではなく、軟骨を形成する成分を摂り続けることも大切です。
グルコサミンとコンドロイチンを両方とも摂るのが良いですね。
コンドロイチンを食べ物で摂る
コンドロイチンを含んでいる食品をまとめました。
しかし、グルコサミンと同じく、一般の食品だけで充分な量のコンドロイチンを摂るのは難しいです。
コンドロイチンをサプリメントで摂る
サプリメントでコンドロイチンを摂取する場合は、少し注意が必要です。
コンドロイチンが入っているサプリは、「コンドロイチン含む軟骨成分」が多くの商品で含まれています。
その場合、成分量も「コンドロイチン含む軟骨成分」の分量が表示されています。
しかし、痛みを抑える成分はその中に含まれる「コンドロイチン硫酸」という成分です。
サプリ(=健康食品)の場合は、「コンドロイチン含む軟骨成分」の中にどれぐらい「コンドロイチン硫酸」が含まれているのかわかりません。
一般的に、コンドロイチンは1日に800mg摂ることが推奨されています。
しかし、これは「コンドロイチンを含む軟骨成分」ではなく、「コンドロイチン硫酸」の量です。
別の記事にも詳しくまとめていますので、そちらも参照してください。
コンドロイチンを医薬品で摂る
コンドロイチン硫酸はグルコサミンやコラーゲンと違います。
容量・用法によっては医薬品としても認められている成分です。
コンドロイチンを含んだサプリ(健康食品)も多いですが、関節の痛みが顕著な場合は医薬品のコンドロイチンを飲んだほうが良いかもしれません。
コンドロイチン以外で痛みに効果のある成分
コンドロイチンは医薬品の成分ということもあり、コストが高くなってしまうのが難点かもしれません。
1日の推奨量をサプリメントや医薬品で摂ろうとすると、どうしても価格が高くなってしまいます。
コンドロイチン以外にも関節痛に効果があると言われている成分もあります。
たとえばMSM、筋骨草、イタドリ、ヤナギエキスなどです。
特にMSMはおすすめです。
アメリカでは、グルコサミンやコンドロイチンのサプリにMSMが含まれていることが多いです。
関節痛に効果がある成分として使われています。
日本では医薬品の有効成分としては認められていないものの、アメリカのサプリメントで使われ続けている実績は無視できません。
日本のグルコサミンサプリでもMSMを含んでいるものがいくつかあります。
その中でもおすすめのは久光製薬のMSM+グルコサミンです。
久光製薬のMSM+グルコサミンには、グルコサミンに加えてMSM+とセイヨウヤナギエキスも含まれています。
膝に激痛があってすぐにでも治したい!という段階
歩行などが困難なほど激痛を感じている段階です。
変形性膝関節症であれば症状が進行している状態で、ロコモティブシンドロームにも直結する可能性があります。
ロコモティブシンドロームについては、別記事にまとめています。
また、急に激痛を感じるようになったのであれば、変形性膝関節症ではない他の疾患かもしれません。
膝が痛いときに考えられる疾患を簡単にまとめています。
あくまでも参考程度なので、必ず医師に診断をしてもらってください。
激痛を感じるときは、とにかく医師に
膝に激痛を感じているときは、サプリメントや湿布でどうこうなるものではありません。
グルコサミンなどのサプリメントは、あくまでも長期的な予防や症状の緩和のために飲みます。
サプリメントで激痛が治ったという話は聞いたことがないですね。
激痛であるならば、必ずただちに医師に診てもらうようにしてください。
その上で、適切な処置をすることになります。
病院で勧められる治療方法としては、軽度であれば湿布やマッサージなど、重度であれば注射や手術です。
膝痛時の代表的な注射については別記事にまとめています。
膝が痛いときのサプリメントの選び方
「膝が痛い」または「膝が痛くならないように予防したい」というとき、日々の食事だけでは充分な栄養を摂りづらいです。
そこで、サプリメントで不足しがちな成分を補うのがおすすめです。
膝の関節を構成している成分を改めてまとめると…。
- プロテオグリカン
- グルコサミン
- コンドロイチン
- コラーゲン
- ヒアルロン酸など
です。
これらの成分をサプリメントで摂ればいいように思うかもしれません。
しかし、コラーゲンやヒアルロン酸は、経口摂取だと消化器で分解されてしまうのであまり意味がないとも言われています。
膝関節のためには、通常のコラーゲンよりもⅡ型コラーゲンの方が効果が期待できるということで最近普及してきました。
また、たとえば大正グルコサミンのコンドロイチン&コラーゲンには、コラーゲンペプチドが含まれています。
コラーゲンペプチドは通常のコラーゲンよりも分子が小さくて、分解されることなく吸収されやすいとされています。
つまり、今のところ経口摂取で膝関節への効果が期待できる成分としては…
プロテオグリカン・グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン(Ⅱ型コラーゲンやコラーゲンペプチド)の4種類を軸に考えるのが良いでしょう。
それに加えて、MSM・ヤナギエキス・デビルズクローなど炎症を抑えるための成分ですね。
サプリでよく使われているこれらの成分については別の記事にも詳しくまとめています。
気になる方はそちらも参考にしてください。
グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・ヒアルロン酸の違い
成分の他にも、値段・飲みやすさ・安全性など選ぶ基準は様々です。
数多くのサプリメントを実際に飲んでみて、総合的におすすめのサプリメントをまとめています。
ぜひ参考にしていただければと思います!