変形性膝関節症の原因と対策

膝が痛いイメージ「膝が痛い」と言っても、原因や症状は様々です。

ケガなどではなく加齢や酷使による膝の痛みは、膝関節の軟骨がすり減って起こります。
それは「変形性膝関節症」と呼ばれるもので、高齢化が進むにつれて患者も多くなっています。

私は専門医ではありませんが、変形性膝関節症についての情報をまとめました。
ぜひ参考にしてください。

変形性膝関節症はなぜ起こる?原因は軟骨のすり減り

脚の骨と骨を繋いでいる膝関節の中には、軟骨があります。
軟骨があることによって、膝を曲げたり伸ばしたりすることができますよね。

しかし、その軟骨がすり減ってしまうと、膝を曲げたり伸ばしたりすることが困難になるだけでなく、骨同士がぶつかることで激痛を感じるようになります。
それが変形性膝関節症です。

変形性関節症そのものは膝以外の関節にも起こります。
体重のかかりやすい膝・腰椎・股関節は、変形性関節症を発症しやすい関節ですね。

変形性膝関節症の症状は、関節の変形と痛み

変形性膝関節症の主な症状は、膝の痛みです。

その他にも、膝の動きに違和感がある・膝を曲げるとポキポキ鳴る・膝が腫れたり変形したりしているなど痛みがなくても安心はできません。

より細かく、変形性膝関節症の症状を段階別に書いていきます。

変形性膝関節症の初期段階

変形性膝関節症の初期段階は、軟骨がすり減っていてもあまり痛みがないので、自覚症状のない人が多いと思います。
長時間歩いた後や朝起きたときなどに膝に違和感や痛みを感じますが、「歩きすぎたかな」「年だから仕方ない」など深刻に捉えていないことがあります。

その後、変形性膝関節症が進行するかしないかは、この初期段階で意識して生活や予防を考えることができるかできないかによって決まるのかもしれません。
変形性膝関節症の予防としては、食生活の改善や運動が考えられます。

また、初期の段階であれば、加齢によって不足しがちな軟骨成分をサプリで摂るのもおすすめです。
サプリは医薬品ではないため、「痛みに効果がある」とは言い切れません。
しかし、今後のことも考えて早めにサプリを飲んでおくのも良いと思います。

変形性膝関節症の中期段階

変形性膝関節症の中期段階は、軟骨のすり減りがさらに進行している段階です。

膝を動かしたときに、痛みや動く範囲の狭さを感じるようになってきます。
すり減った軟骨の破片を異物と捉えて、免疫が働くことによって炎症を起こします。

また、いわゆる「膝に水がたまる」状態にもなりかねません。

変形性膝関節症の末期段階

変形性膝関節症の末期段階は、軟骨がすり減りがさらに進んで、骨同士が直接ぶつかってしまっている段階です。

膝を少し曲げただけでも激痛を感じるので、日常生活に大きな支障が出ます。
症状によっては、痛み止めだけでなく手術も勧められます。
変形性膝関節症のときに受ける可能性のある手術について、別の記事でまとめていますのでそちらも参考にしてください。

この段階になる前に可能な限りの予防に努めたいところです。

変形性膝関節症になりやすい人の特徴は?

変形性膝関節症は年齢を重ねれば誰でもなる可能性のある病気です。
その中でも、特に変形性膝関節症になりやすい人の特徴をあげていきます。

女性

変形性膝関節症は、男性よりも女性の方がなりやすいと言われています。
年齢が上になるにつれて女性の患者の割合が増えて、全体では男性の2倍ほどの人数にもなります。

女性は男性に比べて筋肉が少なく、更年期を迎えるとホルモンバランスの関係で骨密度も下がります。
その結果、膝にかかる負担が大きくなってしまい、変形性膝関節症になりやすくなってしまうのです。

肥満

変形性膝関節症の大きな原因のひとつが肥満ですね。
膝・腰椎・股関節などは、体重の影響を受けやすい関節です。

その中でも特に膝には大きな負担がかかります。
体勢にもよりますが、膝には体重の2倍~10倍もの負荷がかかるとも言われています。
つまり、体重が90kgの場合、歩いたり走ったりすると膝には1トン近い負荷がかかるのです。

スポーツ

膝に負担のかかるスポーツをしていると、軟骨がすり減る可能性が高くなります。
適度なスポーツは関節の代謝を良くするためにも必要ですが、負荷のかけすぎには注意しましょう。

O脚や合わないハイヒールなど

日本人はO脚が多いと言われています。
O脚や偏平足、または合わない靴やハイヒールを履いている場合など、必要以上に膝関節へ負担をかけてしまうのも、変形性膝関節症の原因になります。

特にO脚の場合、膝の内側に大きな負担がかかります。
ですから、内側の軟骨がよくすり減ってしまうのです。

筋肉・骨の衰え

関節の酷使だけでなく、関節の周りにある筋肉や骨の衰えも変形性膝関節症に繋がります。

筋肉や骨が衰えると関節への負担を大きくするだけでなく、転倒などの危険も増します。
転倒による怪我や関節リウマチによる炎症も変形性膝関節症を引き起こすのです。

変形性膝関節症の治療方法

一言に変形性膝関節症といっても、原因や進行具合は人によってさまざまです。
必ず専門医に相談をした上で治療をしてください。
ここでは一般的な治療法を紹介していきます。

内服薬

非ステロイド性抗炎症剤を含む痛め止めです。
炎症を抑えて一時的に痛みを鎮めますが、軟骨が再生するわけではありません。
飲み方や体質によっては副作用も考えられます。

外用薬

非ステロイド性抗炎症剤を含む湿布や塗り薬です。
内服薬と比べると、患部の周辺にだけ作用するので副作用のリスクは小さくなります。
体内に伝わるのに時間がかかるので、すぐには効果を感じにくいかもしれません。

注射

膝関節に直接注射を打つ治療方法もあります。

膝関節の痛みの原因のひとつとして考えられるのが、軟骨のすり減りに伴う関節の機能低下です。
本来、軟骨には関節液が満たされていて、それによって関節が滑らかに動きます。
つまり、関節液が充分でないと、関節が適切に機能しなくなり、痛みに繋がるのです。
そこで、関節液としてのヒアルロン酸を患部に直接注射することで、痛みを和らげる治療方法があります。

また、痛みが強い場合は、鎮痛効果の高いステロイド剤を注射する方法もあります。
しかしステロイド剤は、何度も打つとかえって関節を傷めてしまったり、注射そのものが痛かったりするので、利用するときは注意が必要ですね。

手術

変形性膝関節症が進行すると手術をすることもあります。
変形性膝関節症の治療で行う手術は、高位脛骨骨切り術・人工膝関節全置換術などです。

高位脛骨骨切り術では、変形してしまった関節周りを骨を切り取り正常な形に戻します。
人工膝関節全置換術では、関節そのものを人工的なものに置き換えます。

やはり手術をしなくて済むように、可能な限りの予防に努めたいですね。

温める・冷やす

単純な方法ですが、患部を温めたり冷やしたりするのも有効です。
しかし、自分の判断で行うのは難しいので、初めは必ず専門医に診てもらってください。

慢性的な膝の痛みであれば血行改善などのために、入浴や温湿布で温めます。
逆に急性的な膝の痛みで、炎症や腫れがある場合は氷や冷湿布で冷やします。

運動療法

膝が痛いと運動をするのも億劫になってしまいます。
しかし、運動をしないと関節だけでなく骨も筋肉も衰える一方…。
さらに運動ができなくなるという悪循環に陥ってしまいます。

ですから、運動をすることで運動器官の維持に努めるのも重要なのです。
かと言って、激しい運動をする必要はありません。
専門医に相談をした上で、軽めのウォーキング・サイクリング・水中エクササイズ・ストレッチなどの運動療法を続けましょう。

装具など

上記の運動療法にも通じますが、膝が痛くて動けないという状態が一番良くないです。
そこで足底装具・テーピング・サポーターなどを使うことがあります。
それによって運動に限らず日々の生活をサポートすることができます。

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