グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・ヒアルロン酸の摂り方
膝などの関節における、グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・ヒアルロン酸のそれぞれの役割については、前の記事にまとめてあります。
そちらも参照していただければと思います。
グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲン・ヒアルロン酸の違い
そして、これらの成分は、年齢を重ねるにつれて体内で作る力が衰えていきます。
それによって軟骨の機能が低下して、膝痛に繋がるわけです。
「じゃあそれらのサプリメントを飲めばいいんじゃない?」と思いませんか?
問題はここです。
なんかんでもサプリメントで摂ればいいというわけではないのです。
目次
グルコサミン・コンドロイチンは経口摂取で膝痛に効果がある!?
たとえば、「膝の関節が痛むから、グルコサミンが必要だ!」と思って、サプリメントでグルコサミンを摂ったとします。
しかし、摂ったグルコサミンの全てが膝の関節に使われるわけではないのです。
コンドロイチンも同じくです。
医学的には、経口摂取で摂ったグルコサミンやコンドロイチンのうち、どれだけ吸収されてどれだけ膝関節の軟骨に使われるのか、よくわかっていないというのが現状です。
膝痛への効果を考えた場合、サプリで推奨されている1日に必要なグルコサミンの量というものがあります。
それは、けっこう多めで、錠剤にした場合1日分が10粒ほどになるサプリもあります。
経口摂取のグルコサミンやコンドロイチンが膝の痛みに効果があるのか、ないのか。
医師の間でも、そのあたりははっきりした答が出ていません。
効果があるという人もいれば、効果がないという人もいるという感じです。
コラーゲン・ヒアルロン酸は飲んでも効果がない?
一方で、コラーゲンやヒアルロン酸は、経口摂取の場合、ほぼ100%体内に吸収されることはないと言われています。
アミノ酸に分解されてから吸収されるので、コラーゲンやヒアルロン酸の状態では体内には吸収されません。
では、なぜ色々なサプリにコラーゲンやヒアルロン酸が含まれているのか、気になるところです。
そこで、私はいろいろなメーカーに電話して聞いてみました。
「コラーゲンやヒアルロン酸は経口摂取では意味がないと思うのですが、なぜサプリに入っているのですか?」という感じですね。
すると、電話オペレーターの方はわからないようで、後で偉そうな人からコールバックになります(汗)
はっきり言ってダメだなと思ったメーカーの回答としては…。
「健康食品なので効果・効能を謳っている訳ではありません。うちにも実証データはありませんが、みなさんの好みで選んでいただいて…」
みたいないい加減なものですね。
明確に効果を言えない以上、このような回答をするメーカーは実は多いです。
しかし、きちんと対応してくださったメーカーの回答としては…。
「グルコサミンのサプリの場合、ヒアルロン酸やコラーゲンそのものが効果あるというわけではなくて、グルコサミンと一緒に摂取することで、グルコサミンの吸収率が良くなるのではないかと考えて入れています。」とのことでした。
また、ヒアルロン酸は、変形性膝関節症の時に、病院で膝に注射されることがあります。
ヒアルロン酸の注射による効果は、実証されているため、医療現場で使われている…というわけですね。
これらの効果に関しては、ナチュラルメディシン・データベースという本や、国立健康・栄養研究所のホームページなどに書かれています。
コラーゲンよりも小さいコラーゲンペプチドならそのまま吸収される?
コラーゲンを経口摂取するとアミノ酸に分解されてしまいます。
しかし、コラーゲンよりも分子量の小さいコラーゲンペプチドは、アミノ酸に分解されずにそのまま吸収されるという説があります。
これに関しても、実証データが不十分で確実なものではないようです。
また、コラーゲンのまま吸収されたとしても、関節に使われるとは限りません。
たとえば、大正グルコサミン コンドロイチン&コラーゲンに含まれているのはコラーゲンペプチドです。
これもどこまで関節に使われるかわからないですが、コラーゲンペプチドを含んでいる商品の中では人気がありますね。
ただし、非変性Ⅱ型コラーゲンはすごいかも?
人体の中のコラーゲンはいろいろあります。
その中で、関節に使われているコラーゲンはⅡ型コラーゲンです。
Ⅱ型コラーゲンを含んでいる膝痛サプリはけっこう見かけるようになりました。
人体で関節にある状態により近づけたもの、ということです。
Ⅱ型コラーゲンの中でも、特に人体にある状態に近いもので非変性Ⅱ型コラーゲンというものがあります。
コラーゲンに懐疑的な私ではありますが、この非変性Ⅱ型コラーゲンはよく考えられているんです。
非変性Ⅱ型コラーゲンを含む膝痛サプリで、北国の恵みというサプリがあります。
北国の恵みを販売しているウェルヴィーナスさんにインタビューをして、非変性Ⅱ型コラーゲンの役割がよくわかりました。
それは別の記事にまとめていますので、もしよかったらそちらも参照してみてください。
グルコサミンなどの摂り方と有効性のまとめ
膝痛において、これらの成分の有効性をまとめると…。
- グルコサミン・コンドロイチン…経口摂取の有効性は、研究者・医療関係者によって見解が分かれる。
- コラーゲン・ヒアルロン酸…経口摂取の効果はない。
⇒コラーゲンペプチドやⅡ型コラーゲンの今後の研究に期待 - ヒアルロン酸…関節への注射は効果がある。
ということですね。
そして、もう1つ重要なポイントがあります。
これらの成分の中で、コンドロイチンだけは医薬品として認められていて、関節の痛みの緩和に効果があるとされています。
ただし、「軟骨を再生する」ことが科学的に実証されているわけではないので、そういった意味での効果・効能は表記されていません。
結局のところ、グルコサミンなどのサプリメントは「効くのか効かないのかよく分からない」ということが多いと思います。
そこで、私が「個人的にサプリメントとどう向き合っているか?」を次の記事に書いてみました。
そちらも参考にしていただければと思います。